「人間関係に疲れた」「人間関係って煩わしい」。この意見に賛成の方はきっと多いでしょう。悩みによっても関係性はさまざまですよね。
- 親と子の関係
- 先生や友だちとの関係
- 職場の人間関係
どうしてこうも人との関わりはむずかしいのでしょうか。私たちは、その「煩わしさ」から抜け出すことはできないのでしょうか。
今回は「人間関係」について、各パートごとに少し考えてみたいと思います。
とらわれやすい人間関係の1in1outについて考えてみました。
親と子どもの関係性
私たちはこの世に誕生した瞬間から、もう「人間関係」に巻き込まれます。「親」と「子」の関係です。
親がご飯を食べさせてくれて、寝る場所を与えてくれて、服を着せてくれて、私たちは大きくなりました。
衣食住のために、つまり生きていくうえで親は「大切な人」だったわけです。とてもシンプルでわかりやすい関係です。
この関係が複雑になる時期がおとずれます。子が立派な大人になったときです。
子どもが成長したあとの親との関係性
大人になり、自分で自分の衣食住の世話ができるようになっても、幼少期と同じ価値観で親を「大切な人」と位置付けている人はいないでしょう。
「自分を育ててくれた大切な人」に変化しているのではないでしょうか。
小さくて、親のあとを追いかけていた子どもが、いつの間にか親に感謝をして「自分の人生」を生きるようになります。
親と子の間で生まれる煩わしさ
なぜ、ここで煩わしい問題が生じるのか?
親のほうがまだ「私が必要でしょ」という昔の価値観が残ってしまっているからです。いわゆる「子離れができない」タイプです。
子どもは親に感謝をしているので、親をむげにすることはできません。
親は思い込みで「やっぱりこの子には私が必要だ」と勘違いしているケースが多いです。親とこのような関係性で悩んでいる方は多いように感じます。
親と子の1in1outとは
親に煩わしさを感じたら「今までありがとう。しっかり育てていただきましたので、もう一人で大丈夫です。」と感謝の念を伝えてみましょう。(実際は恥ずかしくて言い出しづらいかもしれませんね。)
そして、親は「自立して親に感謝できるような立派な人間を育て上げ、世に送り出せた私はなんと素晴らしい偉業を達成したのだろう!」くらい自分を褒めて、第二の人生を歩むのが良いと思います。
親と子のそれぞれの幸せが異なってきたことを理解し、それぞれの幸せに向かって生きていくほうが親子の「人間関係」はより良くなっていくのではないでしょうか。
友だちとの関係性
次に、多くの人の黒歴史がつまった学生時代にスポットを当ててみましょう。この時期、先生やクラスメートとの関係は楽しくもあったけれど、複雑で、一触即発的な危うさもあったのではないでしょうか。
先生との関係性
人生に彩を与えてくれるほどの素晴らしい先生に出会えた人は、まれにみる「幸運な人」だと思います。
私にとって先生は、親の次に「命令したり怒ったりする大人の人」という感じでした。
これから先生を目指す人には、有島武郎(ありしまたけお)の「一房の葡萄」(ひとふさのぶどう)を読み、「怒る」「叱る」「諭す」の違いを理解し、自制できるようになってから教壇に立ってほしいと思います。
先生に対しての当たりが強い感じですが、実は私は教員を目指したけれどなれなかったので少しやっかみが入っているかもしれません(汗)。
ただ、当時「一房の葡萄」の先生のような大人になりたいと思っていたのは事実です。
友だちとの関係性
それと、学校における「人間関係」を難しくするのが、「からかい」と「いじめ」の曖昧なクラスメートです。
嫌なことを言われても、我慢して作り笑いを浮かべ友だちのふりをした経験は誰にでも一度や二度あるかと思います。
学校は、わりと曖昧すぎることが多いように感じませんか?
人の気持ちに敏感で優しい人ほど、この曖昧さに疲れすぎて学校が嫌いになってしまうのではないでしょうか。
学校生活は「期限付き」の場所
でも、安心してください。学校は「期限付きの場所」ですから。必ず「卒業」という名の終わる日がやってきます。
先生や友だちと縁を切りたければ、卒業後連絡を断つことだってできてしまうのです。
多少休んだって大丈夫です。学校に行くのが嫌すぎて心や体に不調を感じたら、心療内科に行き気持ちを吐き出して元気を取り戻してください。
学校を卒業してからが「本当の自分の人生」の始まりなのですから。
「一生モノの友情」に憧れるし、あったらいいなとは思いますが、なくても十分楽しく暮らせています。
地元を離れ、学生時代の友達がゼロになった私も、自分の楽しめること、興味のあることに挑戦しているうちに新しい友だちができて、また離れ、またできて…と楽しくやれています。
何歳になったって、新しい友人関係は生まれます。
友だちとの1in1outとは
大切なのは「友だち」にとらわれず生きることです。
「自分」が生きたいように生きていると、そんな自分を受け入れてくれる人がふと現れます。その人を「友だち」と呼べばいいのです。
これで学校での「人間関係」は解決です。
いちばん良いのは、先生ともクラスメートとも和気あいあいと期限付きの学校生活を謳歌し、卒業式で思い切り泣き別れを惜しんだ次の日に一緒に遊んでいる、みたいな関係なのでしょうけどね…私には無理でした。
職場での人間関係
さて、大人になり驚くのが職場での「人間関係」です。
世代が違うだけでも話を合わせるのに一苦労なのに、役職だの取引先だのさまざまな人間関係が生まれます。
もう仕事=人付き合いなの?といった感じでしょうか。
自分はどっち?外向的タイプと内向的タイプ
人には「外向的なタイプ」と「内向的なタイプ」に大きくわかれます。外向的な人は、誰かと話していくうちに考えがまとまったりアイデアがひらめいたりするのに対し、内向的な人は、人と接すると疲れてしまいます。
外向的な人は人に相談するのが容易というか当たり前なので、生き生きと仕事をしているように見えますが、内向的な人は黙って黙々と仕事をします。そのほうがかえって仕事がはかどる人も多いのではないでしょうか。
自分の頭で論理的に考え、結論を出すことができるのも内向的な人です。(傍目にはわかりにくいですが…)
では、職場の「人間関係」で何が大変なのか?
- 外向的な人が黙って仕事をしなければいけない場合
- 内向的な人が多くの人と接しなければいけない場合
です。ただし、これに関しては部署替えを願い出て解決できる可能性もあります。
もし、部署替えが認められない場合だとどうでしょうか。「自分がしんどくなってきた」と感じたら、思い出してください。
仕事って辞められるんです。
ずっと続けないといけない職場なんてありません。体が健康でさえあれば、すぐに就活を始められます。
「自分は仕事をするために生きているのではない。
幸せに生きるために仕事をしているのだ。」
そう思ってください。
職場での人間関係1in1outとは
自分が笑顔でこなせる仕事がある、仕事は楽しい。ならばそこから派生する人付き合いも楽しめるはずだと思います。
今後の「自分の人生」をかけて「何がしたいのか?」について、じっくり考えてみると、今の仕事を深く見つめなおせるのではないでしょうか。
そのうえで「辞める」「続ける」は、自分で判断して良いのです。仕事は「自分の人生」のたった一部分でしかないのですから。
これで職場の「人間関係」は見直せると思います。
さまざまな関係性を1in1outすることで未来は輝く
これまで3パターンの「人間関係」について考えてみました。100%自分の経験からくる私見ではありますが、参考になれば幸いです。
結局、自分の人生にしっかり責任を持ち、「自分」が何をしたいのか?何が好きなのか?何が楽しいのか?
自分で決めて生きていく中で、培われていく人との関わりこそが「大切な人間関係」なのではないでしょうか。
人生は、人のために生きていくほど長くありません。煩わしい「人間関係」の迷路から抜け出しましょう。
そして、自分のために自分が幸せになるために生きていきましょう。